北アの俊英・剱岳(2,999m)は層々たる岩に鎧われて、その厳しくも激しい風格を持っている。今回の別山尾根ルートは剱岳への一般ルートとして知られているが、気の抜けない岩場の登下降が続く。特に前劔から先は平蔵ノ頭、カニのタテバイ、ヨコバイなど高度感のある急峻な岩場が続く。そんな尖端への登頂は感動のドラマが待っている。今回で4回目の登頂となる。
登山日:09/25

 室堂ターミナルから地獄谷を通ってテント場のある雷鳥平にでる。浄土沢を渡ってその先で、新室堂乗越へ向かう。別山乗越まで標高差約500mの登りだ。ハイマツ帯のつづら祈りが続くき、奥大日岳との分岐である新室堂乗越に着く。ここからは尾根筋に雷鳥沢を見下ろして1時間20分ほどで別山乗越に着く。

室堂から雷鳥平に

新室堂乗越から

紅葉は見頃です

雷鳥沢付近の紅葉

雷鳥沢付近の紅葉

 別山乗越からは剱御前の山腹の東斜面巻き道で剣山荘を目指す。高山植物が豊富なルートだが8月上旬は残雪があり注意が必要。剱岳を前方に見て剣山荘へ1時間30分ほどで着く。

別山乗越

紅葉模様

剱御前東斜面巻き道

遠望に別山

遠望に別山

剱沢

絶景の剱岳

 早朝に剣山荘を出発。剣山荘からは、お花畑を右上して一服剱へ向かう。

鹿島槍ヶ岳のシルエット(御来光)

鹿島槍ヶ岳のシルエット(御来光)

 剣山荘から岩場のクサリ場を通り一服剱ピークに立つ。一服剣から前剱が大きくせまっている。ここから鞍部に下りたところが武蔵のコル。

早朝に剣山荘を出発

剣山荘から前劔までのルート

早朝に剣山荘を出発

一服剱に向かう

一服剱への鎖場

一服劔(2618m)

一服剱から望む前剱

武蔵のコルからガラ場の急斜面

 武蔵のコル。ここから剱沢側のトレイルをたどる。足もとの不安定なガレ場の急登。やがて狭い溝のようになったガレ場に入ると、上部に大岩「前剱大岩」が見えてくる。大岩の左側をクサリに導かれて越えていく。すべりやすい岩場を登りつめると稜線へ出る。そこから岩稜をたどると前剱直下に分岐があり、行きは前剱経由、帰りは巻道ルートとなるので注意。行に前劔に登頂する。

前剱大岩

前剱への登り

前剱

前劔から山頂までのMAP

堂々の剱岳

 前剱からは頂稜の剱沢側(右側)をたどり、すぐに東大谷側へ稜を乗り越えて、足場の不安定な急な岩場を下る。次に現れる岩峰の手前で鉄ブリッジを渡り、この岩峰に取り付き、クサリに沿って右上してトラバースしていく。岩蜂の右肩からこれを巻き、平蔵谷側をクサリで下る。下り切ると前剱の門とよばれる鞍部に出る。

前劔の門へ向かう

鉄のブリッジ

五番目クサリ場・岩峰のトラバース

足場がしっかりして、見た目より怖くない

岩峰のトラバース通過

 前剱の門からは足もとの安定したザレ場を登る。ルートは平蔵谷側から稜線に出て、東大谷側へ回りこむ。そのまま平蔵ノ頭を東大谷側へ巻いて通過し、岩峰にぶつかったところで登・下降路が分かれる。高度感抜群の一枚岩をクサリに沿って下る。通過すると平蔵のコルに出る。

前劔の門・遠望に大日岳

平蔵ノ頭・カニのタテバイそして山頂に

平蔵ノ頭の登り

平蔵ノ頭からカニのタテバイ望む

平蔵ノ頭の下り

平蔵ノ頭の鋭い稜線

平蔵ノ頭の鋭い稜線

 ここからはじまる急な岩場の登りが「カニのタテバイ」だ。平蔵のコルから平蔵谷上部を少し本峰南壁よりに横切った先が取付で、垂直に近い50mほどの岩場が立ちはだかる。クサリなどが整備されている。慎重に登りガレ場を登ると早月尾根の分岐に出る。

平蔵のコル・トラバース

カニのタテバイ全容

カニのタテバイ登り

カニのタテバイ棚への登り

棚から上部の登り

山頂直下のガラ場

早月尾根との分岐

 早月尾根との分岐をすぎて、しばらく行けば待望の剱岳頂上に着く。岩稜状になった頂上からは後立山連峰、立山連峰、槍・穂高、薬師岳、北方稜線などの大パノラマが望める。源次郎尾根や八ツ峰などの岩稜を上から見下ろす迫力ある眺めは、剱岳ならではのものです。

剱岳山頂はすぐそこ

やってきました山頂へ

早月尾根と富山湾方面

長次郎尾根・八ツ峰と後立山

長次郎尾根・八ツ峰と後立山

登ってきた別山尾根の核心部

登ってきた別山尾根の核心部

 下山は下降路のカニのヨコバイヘ。クサリのつけられた高度感ある岩場を岩棚に沿って下っていくが、第一歩の足もとをよく確かめて慎重に。クサリ場をすぎるとすぐに長いハシゴの下りだ。

カニのヨコバイに向かう

カニのヨコバイ

カニのヨコバイ

カニのヨコバイ通過

梯子の取りつき

長い梯子の下り

 ハシゴに乗り移る時にバランスを崩さないように注意。さらにクサリのあるルンゼを下ると、ガレ場に出て平蔵のコルに着く。ここから岩峰帯の平蔵谷側の岩場を巻いて通過し、登下降路の分かれた一枚岩の岩蜂をクサリに導かれて登る。次に東大谷側へ傾斜のある岩場をクサリで下り、そのまま平蔵ノ頭を巻いて通過していく。往路と合流して往路を下山する。

平蔵のコルから平蔵の頭へ

12番目クサリ・下山は登りの平蔵ノ頭

平蔵ノ頭を越えて下る

前剱への登り返し

平蔵から前剱へ

前剱

さようなら剱岳
さようなら剱岳
剱岳また会う日まで
剱岳また会う日まで
【1日目】

室堂ターミナル→(0:15)→ミクリガ池→(0:50)→雷鳥平→(0:40)→新室堂乗越→(1:20)→別山乗越→(1:20)→剣山荘(宿泊)
【2日目】
剣山荘→(0:40)→一服剱→(1:10)→前剱→(0:50)→平蔵のコル→(0:50)→剱岳→(0:30)→平蔵のコル(0:50)→前剱→(0:50)→一服剱→(0:30)→剣山荘→(1:30)→別山乗越→(1:20)→雷鳥平→(1:10)→ミクリガ池→(0:15)→室堂ターミナル