・ハーケン(はーけん)
岩壁の割れ目に打ち込み、落ちないように身体の確保、手がかりや足場にする岩釘。氷雪用のものはアイスハーケンといって、スクリューがついているのでねじ込んで固定する。
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・ハーネス(はーねす)
腰にまく安全ベルト。クライミングで使用する確保用のベルト。墜落した時に衝撃を分散させるもの。主にフリークライミング用とアルパインクライミング用がある。フリークライミング用はレッグループタイプと呼ばれているもので、腰と足(腿)で分散させるベルトで、ウエストベルトとレッグループで構成されている。アルパインクライミング用はシット・ハーネスと呼ばれているもので、腰とお尻で分散させる。装着が楽なので冬山や沢登りでも使用される。
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・バーナー(ばーなー)
ガスやガソリンの火気。ストーブ。コンロ。
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・パーティー(ぱーてぃー)
同行者。メンバー。相棒。山行に同伴する人。複数で行く場合に使う。
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・バイル(ばいる)
ピッケルのブレード部がハーケンを打てるようにかなづちのようになっているもの。主に氷壁を登るときに使う。
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・幕営(ばくえい)
テントを張ること。テント泊。
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・函(はこ)
渓流が岩に囲まれて箱状に見える所。層雲峡の大函、小函。
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・ハット(はっと)
小屋。特に山小屋のこと。[ヒュッテ]
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・バットレス(ばっとれす)
建築用語の控え壁の意。岩壁にたてかけた支えの様な急な山稜。胸壁と言われる。南アの北岳のバットレスが有名。
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・早寝早立(はやねやはだち)
早く寝て、早く起きて出発すること。山では午前中に行動するのが基本。午後は気温が上昇し、雲(ガス)が発生しやすい為、午前中に行動した方が景色もいいし、雨が降る確率が少ない。この為、明るくなったらすぐ出発したい。夏季は通常、朝は3時に起床して、5時位に出発するのが良い。[3-5]
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・バリエーション・ルート(ばりえーしょん・るーと)
一般ルートから外れた、より困難な登路。クライミング用語だが、縦走路でも使われている。また、雪道では薮が消えるので、一般縦走でもバリエーションルートを行くことが可能になる。
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・ハング(はんぐ)
壁が手前に突き出しているところ。
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・バンド(ばんど)
岩壁の中段にある段差(平らな所)で、ある程度の幅があり、横に長く続いているもの。登高の中継場所やトラバースのルートとして使うことがある。
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・ビーコン(びーこん)
信号発信器。雪崩に遭って埋まってしまった時に、発信信号を頼りに捜索する。
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・BC(びーしー)
ベース・キャンプ。基盤となる基地。包囲法(極地法)登山の場合、ここを基地として隊がアタックをかける。隊長はここに陣取り、指揮する。
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・ピーク・ハンター(ぴーく・はんたー)
元々の意味は、アルプス黄金時代(1860年代)に次々に初登の記録を作った人を言う。現在では、一番簡単なルートをとりあえず頂上にだけ登って、降りてくる人。または、頂上に行くことが目的の人。「百名山ピークハンター」が有名。
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・ピオレ(ぴおれ)
ピッケルの仏語の言い方。[ピッケル]
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・ピストン(ぴすとん)
山頂までを往復すること。通常はメインのザックをデポして、サブザックのみで往復してくる。
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・ビッグ・ウォール(びっく・うぉーる)
登頂するのに数日かかる様な大きく長い岩壁。
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・ピック(ぴっく)
ピッケルのピック。ヘッドの尖っている方。つるはし。ここを雪面に刺して手掛かりとして登ったり、滑落を止める。[ピッケル]
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・ピッケ(ぴっけ)
つるはし付の杖。氷雪上で滑落停止や確保の支点、歩行バランス保持のために使う。
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・ピッケル(ぴっける)
雪山に使用する道具で、ピック(つるはし)、ブレード(刃)、シャフト(枝)、スパイク(石突き)で構成されている。縦走用のものは、氷雪の足場切りや滑落した時の停止用に用いるが、主には杖として使う。氷壁用はピックを氷に刺して手掛かりに使用する。この為、短いものが用いられる。
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・ヒッチ(ひっち)
結着。ロープをものに結ぶこと。ひっかける。結び目。結び方。[ノット]
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・ピトン(ぴとん)
ハーケンの英語の言い方。最近ではピトンと言う方が多い。[ハーケン]
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・ビナ(びな)
カラビナの略称。[カラビナ]
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・ピナクル(ぴなくる)
小岩峰のこと。
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・ビバーク(びばーく)
露営。野営。山小屋を利用せず、テントやツェルトあるいは石室や雪洞などを利用して夜を過ごすこと。計画通りに目的地まで辿り着けず、仕方なく(予期しないで)露営することをフォースト・ビバーク、当初めから計画していた露営をフォーカスト・ビバークと言う。
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・ビブラム・ソール(びぶらむ・そーる)
登山靴に使われている合成ゴムの靴底で、昔の鋲靴に取って変わったもの。形は鋲靴に似せてデザインされている。現在ではほとんどの登山靴に使われている。
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・ヒュッテ(ひゅって)
山小屋。特にスイスやドイツの山小屋の事。英語ではハット[ハット]
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・ビレイ(びれい)
確保
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・ビレイヤー(びれいやー)
確保者。
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・ファーストエイド(ふぁーすとえいど)
救急用品。緊急用品。普通、医薬品を言うが、サバイバル・キットなどを指す場合も多い。
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・フィックスロープ(ふいっくすろーぷ)
固定ロープ。高所の岩場など危険個所に備え付け、安全確保や登攀補助に使う。
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・フィルン(ふぃるん)
万年雪。
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・フィンガーホールド(ふぃんがーほーるど)
指がかかる程度のホールド。
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・フェーン現象(ふぇーんげんしょう)
気流が大規模に山脈にを乗り越る時、山を登る時は気温が下降して(100mにつき0.6℃下がると言われている)雨を降らせるが、山を下る時には非常に乾燥して気温が元の温度より上昇した風になり(100m下るにつき1℃上がると言われている)、平地が、特に盆地などが異常に気温が上昇する。これをフェーンと呼ぶ。元々はアルプスの用語だが、日本でも使われている。春先の優勢は低気圧が日本海側を通ると、全層雪崩が起き融雪洪水を起こすことがある。また、夏では松本、甲府などの盆地が異常な高温になることがある。
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・フェイス(ふぇいす)
斜面や岩壁のこと。ノースフェイスは北壁のこと。
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・フェルス(ふぇるす)
岩、岩壁。
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・フォール(ふぉーる)
@滝。A岩登りで墜落すること。
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・ぶき(ぶき)
【武器】箸やフォークのこと(俗)。食料取り合い合戦の道具。
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・ブッシュ(ぶっしゅ)
薮。ヤブ。
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・舟窪(ふなくぼ)
山腹または山頂の舟底状の窪地。白馬岳の舟窪などの地名にもなっている。
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・フューラー(ふゅーらー)
案内人。[ガイド]
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・フライシート(ふらいしーと)
テントの上にかける雨除け用のシート。冬は入り口のジッパーは凍るので、フライは使用せず、冬用外張りを使用する。
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・プラトー(ぷらとー)
高山の緩斜面をおおう残雪、雪原のこと。
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・フリー・クライミング(ふりー・くらいみんぐ)
アブミなどの道具を使わずに、岩の角や割れ目等だけを使って登ること。但し、墜落に備えてロープ等の確保システムは使用する。[エイド・クライミング]
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・フリー・ソロ(ふりー・そろ)
フリー・クライミングの確保システムを除いて登ること。失敗は死を意味するが、成功したときの達成感は大きい。
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・フリクション・クライミング(ふりくしょん・くらいみんぐ)
岩登りの際、手掛かりがない所で、身体の各部分を密着させて、摩擦を利用して登ること。特に、チムニーやクラックでは摩擦だけで登ることもある。
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・プリムス(ぷりむす)
携帯用ストーブのブランド。元々は、1882年に創業のスウェーデン燃焼器具メーカーBAヨート社のブランド名。アウトドアの携帯用ストーブを1892年に発表してから世界の登山家たちに愛用されいる。ヨート社はその後、バーコ社に社名変更(1955年)。1962年Optimus社に灯油・ガソリン部門を売却。その後、LPガス部門はMax Sievert社に手放した。Max Sievert社の灯油・ガソリン部門はOptimus社に売却。Max Sievert社はバーコ社を吸収して、その後LPガス専門のPrimus-AB社に社名変更して現在に至る。という複雑はビジネス合戦の中、日本では1985年、岩谷産業(株)の合弁で販売会社イワタニ・プリムス(株)として、キャンプ用品を販売している。
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・ブレード(ぶれーど)
刃(は)の意。ピッケルのブレード。ヘッドのピックの反対側に付いている平たい方。ここで雪面を掘ってステップを作る。正しい英語はアッズ(adz)と言うが、日本ではブレードと言う。[ピッケル]
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・ブロッケン現象(ぶろっくげんしょう)
山頂や山稜で、眼下に霧があり、背後から日光を受けると自分の影が霧に映り、その周囲に光の輪が幾重にも見える現象を言う。
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・プロテクション(ぷろてくしょん)
中間確保支点。登攀中の途中に支点を取り、そこにカラビナを通して墜落時の支点にする。
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・ベースキャンプ(べーすきゃんぷ)
ベース(基地)となるキャンプ地。ここに荷物などを集結させて、前進キャンプ地を上に建設して行く。BCと略す。次のキャンプをC1と言い、その上はC2と言い数字が大きくなっていく。
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・ペグ(ぺぐ)
テントの張り綱を固定するため地面に打ち込む杭や金具。
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・ヘッドランプ(へっどらんぷ)
頭にゴムバンドで固定できるようにした懐中電灯。両手が使えるので非常に便利。
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・へつる(へつる)
沢登りで、水際の岩壁にへばり付いて、進むこと。
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・紅殻(べにがら)
雪渓上での指導標で、籾殻(もみがら)を赤く染めて撒く。白馬大雪渓などでおなじみ。
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・ベルク・ハイル(べるく・はいる)
ドイツ語で「お山万歳」「登頂おめでとう」の様な意。山頂に立った喜びの時に用いるのだが、今時、日本でこんなことを言う人はいない。昔はけっこういたらしい。
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・ペンキマーク(ぺんきまーく)
指導標の一種で、岩などにペンキでコースの印をつけたもの。矢印や、○印が書かれている。
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・ホールド(ほーるど)
岩登りにおいて、手掛かりや足掛かりを言う。手掛かりは上から下に力をかけるのが普通だが、下から上へ押し上げるもの(アンダーホールド)、平らな面に押し付けて摩擦を利用するもの(フリクション)、クラックに拳を突っ込んで利用するものなどいろいろある。また、クラックに靴をねじり込んで利用も出来る
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・包囲法(ほういほう)
ベースキャンプに物資を大量に持ち込み、前進キャンプを上部に建設しながら、最終キャンプから頂上にアタックする方法。ゆっくり登るので高度順応には良い。ヒマラヤ隊等に良く用いられる。北極や南極探検にペアリー(米)やアムンゼンが使用した前進法(極地法)を、ブルースによってエベレスト登山に応用した方法。日本では極地法と同様に使われている。[アルパインスタイル]
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・歩荷(ぼっか)
山岳地帯の荷担ぎ人夫を言う。現在では荷上げをすること自体やその人を言うことが多い。元々は信州の松本から糸魚川街道を経て越後へ、または、野麦峠から飛騨へと物資を運んだ荷担ぎ人夫を言った。
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・ボルダリング(ぼるだりんぐ)
岩登りの練習。飛び降りても怪我をしないような高さの岩(人口壁でも良い)に、ロープを付けずに登って練習する。下にマットを敷いて練習すること。
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・ホワイトアウト(ほわいとあうと)
吹雪や霧で真っ白くなり、道、景色、地面など、全く見えなくなってしまうこと。こうなると、動かないでじっとして霧等が消えるまで待つしかない。やたらにと動くと、道に迷ったり、崖から落ちたりするので、非常に危険。
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・ポンチョ(ぽんちょ)
元々は南米住民の外套。四角い織物の中央に首を通す穴が開いている簡単のもの。雨具として使用出来る他、つなぎ合わせるとグランドシートや簡易テントにもなるので、US ARMY御用達。登山用として使う場合は、風に弱いのであまり好まれないが、蒸れないので樹林帯や非常用としては充分使用できる
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