天狗棚・1200高地 1,240m

 天狗の伝説と原生林を楽しむ。

登山日:09/06/22(晴)

登山口 愛知県設楽町(北設楽郡)津具
登山口アクセス
 登山口の面ノ木(めんのき)峠への交通機関はなく、車の利用となる。稲武町から国道257号線で南へ向かい、最初に左折する道が峠に通じている。国道をさらに南下して茶臼山高原道路を利用することもできる。峠周辺はブナの原生林が残り、面ノ木園地として整備され、登り口が幾つもある。
 
■山行記

       面ノ木園地

 伊那谷と木曽谷に囲まれて南北にのびる長大な木曽山脈は、愛知県との境に茶臼山の山群を形成し、さらに南下し、やがて太平洋岸に出る。天狗棚・1200高地(天狗の奥山)は、茶臼山、萩太郎山(はぎたろうやま)に隣接し、碁盤石山(ごばんいしやま)、段戸山(だんとさん)、寧比曽岳(ねびそだけ)へとのびる1,000メートル以上の山群を形成している。その間に山里を結ぶ幾つもの峠があり、古くから三河地方と信州那地方を結ぶ主要街道のひとつ・伊那街道も越えていた。現在は山群の中腹に茶臼山高原道路が敷設され、しだいに野趣が損なわれていくが、ブナ、カエデなどの古木が残る雑木林は豊かで季節を告げてくれる。

     面ノ木園地広場

 天狗棚は、天狗が住む霊山として鎌倉時代から村人にあがめられ、恐れられていたとのことである。登山口の面ノ木(めんのき)峠への交通機関はない。面ノ木峠周辺はブナの原生林が残り、面ノ木園地として整備され、登り口が幾つもある。天狗棚へは、面ノ木峠から園地登り口の一隅に駐車し、芝生広場の奥に建つ休憩所脇から山腹にのびる遊歩道を登る。ビジターセンターへの道を右に分け、階段でジグザグに高度を上げる。

階段状の登り


      (コケイラン)路傍に咲く野草
 路傍に野草が咲き、鳥たちのさえずりが響き、空気のうまさが実感できる。

       天狗棚山頂

 天狗広場の先の左に碁盤石山へ眺望が開ける。昔、大天狗の棲処(すみか)だったと伝わる大岩峰上へ鉄バシゴの登りになる。登りきるとベンチのある天狗棚展望台に出る。眼下に津具の村、北に茶臼山、遠く南アルプス南部の山並、白鳥山、明神山、岩古谷山(いわこややま)、日本ガ塚山(にほんがつかやま)など奥三河の山々へ雄大な眺望が開ける。

天狗棚展望台から

 一隅に祠があり、神世の代、第一の天地創造の神と伝わる国常立尊(くにつねたつのみこと)の石碑が建っている。痩せ尾根の急坂を登ると、坦々とした山稜になる。眺望は開けないが、みごとな雑木林に囲まれた森林浴プロムナードだ。

新緑が美しい自然林

 

     天狗の奥山に向かう道

 緩く下ると、峠の園地駐車場からの道が合流する。緩やかな山腹の左側を巻いて下ると、湿地に出る。東側の人工林と西側の雑木林が、鮮やかなコントラストを見せる坦々とした山稜を行くと分岐点に出る。道標に導かれて90度右へ折れ、雑木林の急な山腹を登ると、天空がぽっかりと開けた小広場の三角点に着く。天狗の奥山(1200高地)の山頂から眺望は開けないが、静けさの中、豊かな森と静けさで、満足感に満たされる。帰りは往路を戻る。

天狗の奥山(1200高地)山頂

 
●場所:愛知県設楽町(北設楽郡)津具
●コース:登山口(面ノ木園地)(11:52)⇒分岐(11:59)⇒尾根合流(12:03)⇒展望台(12:09)⇒天狗棚(12:25/12:50)⇒天狗の奥山(1200高地)(13:19/13:30)⇒天狗棚(13:57)⇒尾根分岐(14:03)⇒分岐(14:10/14:20)⇒登山口(面ノ木園地)(14:25)

 

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