権現岳と赤岳は、主稜線で繋がっているがその両座の間にはキレットの険路が深く切れ落ちて領域を分断するように相対してそびえている。南八ヶ岳縦走路の最難関部。 観音平から編笠山・権現岳・赤岳・阿弥陀岳を縦走して美濃戸口に下山です。

観音平登山口駐車場

 1日目は編笠山の登山口である観音平から編笠山を越えて権現岳そしてキレット小屋まで。登山口となる観音平に車を駐車。カラマツ林に登山道は続く。途中から植生は針葉樹に変わり、やがてうっそうとした、苔むした深い森となる。45分ぐらいで雲海に着く。東側が見晴らしがよく南東に富士山が望める。  

自然林の登山道

雲海から富士山が

押手川

 雲海を過ぎてカラマツ林から原生林に入りまもなく押手川(おんで)だ。樹林帯の中で融雪期か梅雨期以外は涸れている。青年小屋への分岐となり直進して編笠山に登る。

南側に南アルプス

編笠山への登り

編笠山直下

 押手川から、しばらく原生林を登るが左側に大小の石が川のように流れているところにくれば樹木もだんだん小さくなり後方には南アルプスが一望できる。編笠山から青年小屋には大きな石がごろごろしたところを下りると青年小屋に着く。

編笠山から権現山を望む

青年小屋

ギボシへの登りと右に権現岳

 青年小屋から権現岳に進むと、これまでのなだらかな山が一変、ゴツゴツと険しくなり始める。権現小屋手前のギボシでは岩峰を巻く鎖のトラパースもある。そこを越えると稜線直下に建つ小さな山小屋、権現小屋が見える。権現岳山頂は小屋から5分ほど。分岐から三ッ頭方面へ進んだルート沿いにある。

ゴロ岩の道

ギボシ直下の道

権現小屋と権現岳

 山頂は大きな岩が重なり合い鋭い。遠目では危なそうに見えるが、行ってみるとそれはどの恐怖心は感じない。岩の上に立つとめざす赤岳が望める。

権現小屋から

権現岳

権現岳から赤岳と阿弥陀岳
権現岳から赤岳と阿弥陀岳

ゲンジハシゴの核心部

 権現岳からキレット小屋までは見晴らしのよい稜線歩きだ。 権現岳から旭岳に向かうとすぐに61段の傾斜約50度のゲンジハシゴがある。旭岳の西側の鎖場を左から巻き、急坂を下れば灌木帯に入る。

61段のゲンジハシゴ

左旭岳・奥に赤岳

ツルネ

 旭岳から下りきった所から僅かに上がればコマクサの群生地であるツルネだ。この辺りからの展望は抜群で赤岳へ登り上げる天狗尾根の大天狗、小天狗の岩峰が正面に、阿弥陀岳が左前方に、それらの雄姿は一見の価値があります。

コマクサ

ツルネに向かう

ツルネから赤岳と大天狗、小天狗
ツルネから赤岳と大天狗、小天狗

ツルネからキレットへ
 ツルネからキレット小屋へは大きい岩がゴロゴルしたところを下りますが、濃霧時には方角を見誤りやすく立場川本谷側へ迷い込まないよう注意。キレット小屋は森林限界下のダケカンバ疎林内にある。

キレット小屋への下り

キレット小屋

キレット小屋前から天狗尾根の眺望
キレット小屋前から天狗尾根の眺望
キレット小屋稜線小ピークから
キレット小屋稜線小ピークから

キレット小屋樹林を抜ける
 キレット小屋から赤岳への登り返しは標高が450mに及びます。しばらくは樹林帯を登り、小灌木と砂礫の道を抜けた辺りから傾斜が一気に増してルンゼ状の岩稜の登りとなります。

ルンゼ状の岩場

ルンゼ状の岩場にカモシカが

岩場のマーカー

 ここからがこのルートの核心部で、天狗尾根ノ頭まで続きます。特に天狗尾根ノ頭の直前にかかる7~8mの梯子、その後に現れる鎖を頼りに約50mの岩棚のトラバースは高度感満点です。

ルンゼ状の岩場

キレットルートの核心部

岩場のトラバース

 トラバース終了地点で天狗尾根と合流する場所を天狗尾根ノ頭と呼んでいます。その後梯子や鎖が断続的に現れ、稜線に上がると核心部が終了します。

難所を越えると右にトラバース

天狗尾根の大天狗を望む

竜頭峰

 トラバース終了地点で天狗尾根と合流する場所を天狗尾根ノ頭と呼んでいる。その後梯子や鎖が断続的に現れ、稜線に上がると核心部が終了。ここから赤岳山頂までは真教寺尾根分岐、竜頭峰を通過して行く。 

竜頭峰

赤岳山頂

編笠山・権現山縦走路を振り返る

赤岳山頂

赤岳から雲海に浮かぶ富士山
赤岳から雲海に浮かぶ富士山

向かう中岳・阿弥陀岳

 赤岳から阿弥陀岳を目指して道標に従って岩場を下る。キレット方面の分岐を右に行き小さな岩場を越えて小石がガラガラの登山道になる。文三郎道を右に分けて下降して鞍部に着く。中岳を過ぎて阿弥陀岳との鞍部に着く。 

文三郎道鞍部に向かう

中岳から阿弥陀岳

岩場の登り・落石注意

阿弥陀岳山頂

縦走路の権現岳
縦走路の権現岳

阿弥陀直下分岐を左折

 阿弥陀岳から行者小屋には、一旦往路を鞍部まで下りて鞍部から北に入る道がある。途中に崩壊箇所があり迂回の道が設けられており注意が必要です。この山腹を下りきると行者小屋に着く。行者小屋で一息入れて南沢を通り美濃戸口に下山する。

行者小屋

美濃戸口

 

■ルートマップ

 
■一日目
観音平→(0:50)→雲海→(0:35)→押手川→(1:35)→編笠山→(0:30)→青年小屋→(1:30)→権現岳→(1:20)→キレット小屋 (6時間20分)
■二日目
キレット小屋→(2:00)→赤岳山頂→(1:05)→阿弥陀岳→(0:55)→行者小屋→(1:30)→美濃戸→(0:45)→美濃戸口(6時間15分)