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白馬岳から唐松岳山行記

白馬大雪渓

 白馬岳山頂付近は黒部側はゆるやかに信州側は足元から切れ落ちた典型的な非対称山稜の姿をしている。また北アルプスの北端にありながら、山頂からは槍ヶ岳をはじめ北アルプスのほとんどの山を見ることができる。
 白馬岳から唐松岳までは歩行時間の長いコースなので、必ず白馬岳を早立ちするようにしたい。そして、半ばを過ぎてから天狗の大下り、不帰ノ嶮の岩場などきつい所が出てくるので、体力に自信のない人は途中の天狗山荘で一泊するとよい。また、猿倉から大雪渓を経て天狗山荘まで一日でくるのもひとつの案である。

■不帰ノ嶮を越えて唐松岳へ

●歩行時間7時間20分 累積標高差710m(白馬岳ー杓子岳ー鑓ガ岳ー不帰キレットー唐松岳)

白馬岳から杓子岳

 白馬岳から杓子岳へはいったん、ゆるやかに下ってから杓子岳の黒部側をトラバースするが、山頂経由のルートもある。杓子沢のコルから鑓ガ岳までは約40分の登りだ。鑓ガ岳の山頂から振り返ると杓子岳、白馬岳の非対称山稜の様子がよく分かる。下リはガラガラとした小さな岩屑の斜面をトラバースするように下っていき、稜線伝いにしばらく行くと大出原(おいでっぱら)への分岐だ。

鑓温泉への分岐(大出原)

 眼下の大出原の草地の緑がきれいだ。分岐をあとに稜線通しに水平にしばらく行くと、左に斜めに下っていく。このあたりは遅くまで雪渓の残る所なので滑らかいようこ主意しよう。下り切ると天狗山荘のある天狗平に出る。

分岐から天狗平

 稜線から信州側に少し下がっていて、大出原をはさんで鑓ガ岳と向かいあう所に位置する天狗平は、高山植物が多く見られる所だ。白馬岳一帯でも高山植物が多い所だけに、踏み荒さないように気をつけたいものだ。
 小屋の前からひと登りで稜線に出る。右手の剣岳を眺めながら天狗ノ頭に向かってのんびりと稜線通しに行く。丘のような天狗ノ頭からはゆるやかな下りになっている。

天狗の大下り

 やがて通称「天狗の大下り」と呼ばれる所に出る。標高差約300mの急な下りだ。最初はジグザグに下っていくが岩稜帯に入るとルートが分かりづらくなる。しかし、ペンキマークでルートが指示されているのであせらずにゆっくりと下ろう。

 不帰ノ嶮の入り口

 正面には不帰ノ嶮の黒い岩峰が行く手をふさぐかのようにそそり立っている。鎖がつけられた滑りやすい岩場を過ぎていくと鞍部に出る。しかし不帰キレットはこの鞍部から小さく登って再び下った所だ。少人数ならザックをおろして休むこともできるのでひと息人れるとよい。
 不帰の一峰を稜線伝いに登り、少し下って小さな鞍部に立つ。いよいよこのコースの核心部である不帰ノ嶮の岩場だ。二峰はほとんど垂直な岩壁でどこを登ってよいか分からないが、取り付いてみると意外に楽に登れる。手がかり、足がかりもしっかりしており、悪い所には鎖がつけられている。垂直に登ったり、岩をへつるようにトラバースしながら確実に高度を上げていく。

アングルの橋

 やがてアングルの橋を渡り、稜線を越えて信州側に回り込むとバンドになっている所に出る。ここは路肩の踏み抜きに充分注意したい。岩壁の横をへつるようにしてしばらく行き、再び稜線に沿って岩場を登る。最後にアングルの梯子を登って、大きか一枚岩の上に立ち上がるようにしてやり過ごし、二峰の北峰に出る。開けた小さなピークなのでザックを下ろしてひと息入れることができる。
 

縦走路を振り返る

 北峰をあとに南峰に向かう。ほとんど水平に近い稜線をしばらく行き、右に回り込みながら少し登って南峰に立つ。再び稜線通しにしばらく行き、ハイマツの間を抜けてはげた丸いピークの三峰に出る。三峰から少しだけ下り、サラザラした砂地の斜面をゆっくりと登って唐松岳の山頂に立つ。山頂からは三峰、二峰、一峰と荒々しい岩峰が並ぶ不帰ノ嶮がよく見える。そしてその後ろになだらかな稜線の天狗ノ頭が続いているのが印象的だ。また、ここから見る五竜岳は堂々とした大きな岩の砦のようだ。

唐松岳頂上山荘

 山頂から稜線伝いに下ると10分ほどで唐松岳頂上山荘だ。山荘の前には餓鬼山を越えて祖母谷温泉へ下るコースの分岐があり、分岐から少し下った斜面はテント場になっている。また、小屋の前にはベンチがあり、正面に剣岳を見ることができる。

白馬岳ー(1h10)→杓子岳ー(1h00)→鑓ヶ岳ー(0h30)→天狗山荘ー(1h30)→不帰キレットー(3h00)→唐松岳ー(0h10)→唐松岳頂上山荘

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